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研究開発投資、省エネに重点6.9%増 08年度日経調査 [エコロジー]

日本企業は収益が伸び悩む中でも研究開発に積極投資を継続する。主要255社が計画する2008年度の研究開発費は前年度比6.9%増の12兆 4649億円と9年連続の増加。研究開発費の売上高比率も3.9%と高水準になる。歴史的な資源高の克服に向け、省エネルギー技術の開発に重点投資、国際競争力を高める狙いだ。

 日本経済新聞社が実施した「研究開発活動に関する調査」で明らかになった。08年度の研究開発費の伸びは売上高の増加率2.0%を大幅に上回る。売上高比率は2年連続で上昇し、直近の底だった06年度を0.4ポイント上回った。8割の企業が研究開発費を増やすと回答。3社に1社が5年後の研究開発費が1割以上増えると回答しており、今後も企業の積極姿勢が続く見通しだ。

出典:日本経済新聞
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排出量取引に反対論噴出、経団連夏季フォーラム始まる [エコロジー]

日本経団連の東富士夏季フォーラムが24日、静岡県小山町で開幕した。初日は資源高や温暖化対策を議論。排出量取引をめぐって王子製紙の鈴木正一郎会長が「技術革新が起きれば取引価格が暴落する」と指摘。新日本石油の渡文明会長も「百害あって一利無し。経団連として反対すべきだ」と訴え、反対論が噴出した。

 新日本製鉄の三村明夫会長が「国別の目標設定が公平でないと産業競争力に重大な影響を与える。唯一の解決手段は(産業・分野別に削減を進める)セクター別アプローチだ」と述べるなど、排出枠を強制的に割り当てる「キャップ&トレード」の手法には大半が反対。大和証券グループ本社の原良也最高顧問が「意味があるやり方」と擁護したが同調者はいなかった。

出典:日本経済新聞
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自宅の太陽電池、発電量をテレビで確認 三菱電機 [エコロジー]

三菱電機は9月1日、太陽光発電システムを設置した家庭で、発電量などをテレビで確認できるシステム「エコガイドTV(ティーブイ)」を発売する。分電盤などにつないだ送信ユニットから、テレビに接続した受信ユニットに無線で情報を送る。1日の発電量と消費電力量、両者を比べた電力の「収支」などを見ることができる。ほかに月間や年間のデータ、太陽光発電を使うことで減らした二酸化炭素(CO2)の排出量なども表示する。

 従来は数センチ四方の小型液晶画面で表示していたため、情報量が少なかった。家族がテレビで情報を共有できるようになれば、省エネ意識の向上にも役立つとみている。価格は工事費別で7万9800円。年間3000台の販売を目指す。

出典:日本経済新聞
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ガソリン高騰で見直す生活の「足」 [エコロジー]

愛車フィットの燃費はリッター24キロ、週末、スーパーの買出し程度にしか車に乗らない私は、「前回、給油したのはいつだっけ?」という感覚があった。この週末、3カ月ぶりに給油に行ったガソリンスタンドは閑古鳥が鳴いていた。高速道路の走行台数が少なくなったことも、マイカー通勤や営業車両の持ち帰りなど、車に乗ることを敬遠する人が増えたと実感させる。

■ガソリン200円で、2割が「乗車をやめる」

 全国1000人を対象に日本経済新聞社が行ったインターネット調査では、マイカー保有者の半数強が「1年前より乗る回数を減らした」とし、2割の人が、レギュラーガソリン価格が1リットル200円になったら「乗るのをやめる」と回答したという。

 近所の大手スーパーでも5000円分の買い物をした顧客にガソリン割引券を配るキャンペーンを始めたが、各地の小売業やサービス業でこうした動きは広がっているという。ガソリン価格の高騰を受け、車による遠出や買物を控えがちな消費者を何とか呼び戻し、消費を喚起したい考えだそうだが、車のユーザーのみが恩恵に預かれるこの仕組み、さらなるガソリンの高騰が続けば、そのコストをどう転嫁していくのか気になるところだ。

日本の原油消費量のうち自動車向けは4割を占めることから、原油価格の動向はドライバーを直撃する。物流業界はさらに深刻で、企業内部でコスト高を吸収することは難しくなる。商船業界の人に聞くと、「コストダウンのため、船底についた貝をとっている」と言うし、航空業界でも貨物コンテナの軽量化や食器を軽量磁器にかえるなど、機内搭載用品の軽量化をすでに始めている。飛行機の重さは直接的に燃料の消費量と二酸化炭素(CO2)の排出量に跳ね返ってくるからだ。企業が経営努力をする一方、それでは私たち個人が出来ることは何か?

 ガソリン価格の高騰をきっかけに、車に頼り過ぎない生活スタイルや価値観そのものを変えることはできないのか。たとえば、燃費の良い自動車を選ぶ、アイドリングをやめる、トランクを整理して余分なものは車に載せておかない、歩ける距離は出来るだけ歩くなど、これ以上、アイデアが思いつかない。燃料電池車や電気自動車の普及に期待がかかるところであるが、価格や技術の面で普及には時間がかかりそうだ。

■車社会を見直すきっかけに

公共交通機関の発達した都市部では、なるべく公共交通機関を利用することも可能だが、鉄道やバスの路線廃止が相次ぐ地方では、唯一の足が「マイカー」となり、車に乗ることをやめるわけにはいかない。「家族ひとりに車一台」といった地方都市ではガソリン高騰が生活にもたらす影響はより深刻だ。また、すでに高齢化率20%を超えたわが国では、高齢ドライバーも増え、高齢者の交通事故も増加しているが、とりわけ地方都市では多くの高齢者も車に依存し、年金暮らしの家計には重圧感があるだろう。

 高齢運転者による交通事故は、運転免許を保有する高齢者が10年間で1.9倍に増加したことを背景に、平成9年の2.1倍となり、75歳以上に至っては3.1倍となっている。だが、マイカーに代替する公共交通機関が整っていなければ免許返上も難しい。近い将来、運転をあきらめなければならない高齢者も出てくるわけで、そろそろ高齢者をはじめとする地域の足の確保と、車に依存しすぎない、一挙両得な交通政策を考える時期に来ているのではないだろうか。

■地方の「足」をどうする――知恵をしぼる各地

たとえば、金沢市のエコポイントは、「ICa(アイカ)」と呼ばれるカードを活用してバス利用や買物でポイントをため、それをバス運賃として利用できる。地元の繁華街である香林坊などの加盟店でICaを提示し、2,000円以上の買物をすると、20ポイント券がもらえ、また、ICaを利用してバスに乗車すると、バス利用額100円につき1ポイントがICaに加算される。地元ではマイカーから公共交通への利用転換によるCO2削減と、買い物客の増加によって中心市街地の活性化等が期待できるとしている。

 富山市は「高齢者運転免許自主返納支援事業」を06年4月1日から導入した。運転免許を自主返納した65歳以上の人に、車に代わる公共交通機関の1年間分の乗車券(約2万円相当)を支給するというもので、従来、年間40人前後だった自主返納者が10倍以上に増加しているという。

さらに液晶ディスプレー用の光学フィルムを製造する日東電工尾道事業所(尾道市)は従業員のバス通勤を積極的に進めている。従業員の事故リスクの軽減に加え、周辺道路の交通渋滞緩和や二酸化炭素(CO2)の排出削減を一挙に狙う。尾道事業所に勤務する従業員は2350人、事業所が立地する工業団地内にバス路線はなく、多くがマイカー通勤してきたが、周辺道路の渋滞緩和や二酸化炭素の削減などを目的に昨年2月から、事業所が貸し切りバスの運行を開始した。現在、約560人が、JR尾道駅などから3ルート、1日往復110便運行されるバスで通勤している。バス通勤を導入してから、従業員の交通事故が従来の3分の2に減少したという。今後は地域住民も利用できる路線バスとして定着させたいとしている。

 環境と地域活性化・高齢化対応・従業員の安全確保など、各地域でスタートしている試みは今後、組み合わせ次第で可能性が広がりそうだ。

 「そうだ!エコと健康とダイエット、今日は自転車で買物に行こう」。こう思い立ち、朝から娘の自転車で、2キロの道のりを買出しに出かけた。気温はすでに 28度。汗だくになりながら、なんとか帰宅して、冷えたビールの美味しかったこと。私の場合は、エコとダイエットは両立しそうにもない。

出典:日経エコロミー
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「エコは世界なり」70年代石油危機時の我慢を思い出せ――関澤秀哲・日本鉄鋼連盟 環境・エネルギー政策委員会委員長(新日鉄副社長)に聞く<下> [エコロジー]

関澤秀哲・日本鉄鋼連盟環境・エネルギー政策委員長(新日鉄副社長)に聞く鉄鋼業のエコ経営の極意。2回目は原燃料高への対応策を聞いた。

 ――原燃料高が大きな問題となっています。新日鉄も原料の鉄鉱石が取れるブラジルで生産を拡大するということですが、これは炭素リーケージ(=漏れ=)にあたりませんか。

 CO2排出に関して環境税がかかる恐れがあるから南米に生産を移すということではなく、南米が経済的に成長著しい地域で、鉄の需要増をきちんと捕捉するためにその地で生産を拡大するということが主眼です。 

 日本で生産した鉄鋼を船で運ぶと燃料価格が高騰している上にCO2排出増にもつながります。

 南米での生産拡大は純粋に国際競争に生き残るための目的が大きいのです。

なにしろ2006年に誕生した、世界最大の鉄鋼メーカー、アルセロール・ミタルの生産規模は、日本の鉄鋼業すべてを合計した規模であり、新日鉄の約4倍近くに相当します。これからは年間5000万トンの粗鋼規模のグローバル企業が世界のあちこちで誕生するとも言われておりますが、新日鉄は現在 3600万トン。新日鉄はグローバル企業になるために4000万トン+αの生産量を目指しているところです。

 日本の鉄鋼業は日本の産業発展に貢献し続けるためにも国際競争に負けられないことをご理解いただきたいと思います。日本の鉄鋼業はエネルギー伝導率の高いモーター用の鋼板といったように、クルマ、船、電機、原子力産業など幅広い産業と一緒になってより薄くてより強い鉄を開発しています。いわゆる産業間連携の中で、他の製造業同様、国益を意識しており、炭素リーケージを望んでいるわけでは、決してありません。

――「鉄は国家なり」ですか。

 もっと幅広い見方をすれば、「製造業は国家なり」といえるのではないしょうか。

 日本の製造業は資源もエネルギーもない国だからこそ、ヒトの知恵とモノの効率化で国際競争力をここまで高めてきました。

 日本が今すぐ金融国家として生きていけるでしょうか。IT産業だけで国を支えていけるでしょうか。

 金融もITも重要な産業ですが、日本の強みはあくまで製造技術であって、決して排出権取引によるビジネスではない、と思います。

■石炭を使わず水素を使った製鉄法を研究

 ――自動車産業では電気自動車や燃料電池車が登場して以前のクルマのイメージが変わってきています。鉄鋼業界でもこうした新しいイメージは登場しつつあるのでしょうか。

水素還元製鉄、と呼ぶ製鉄法を研究中です。現在は石炭を蒸し焼きにしてコークスを作り、そのコークスによって鉄鉱石を還元して鉄を生産しています。ただ、コークスを使うとCO2が出てしまう。そこでコークスの代わりに水素を活用して酸素を取り除けないか、と。まだ基礎研究の段階ですが、2050年を目指して、国を挙げて取組みを開始しました。

 それから鉄鋼業ではCO2の分離・回収も研究中です。鉄を作ったときに発生する副生ガスの中から、いかに効率的にCO2を分離・回収していくのかということについて研究を進めています。

 世界でCO2排出量を半減させる2050年までには時間がありますから、あらゆることを模索すべきでしょう。

 私どもは革新的な技術開発も徹底してやっていこうとしています。

――太陽光とか自然エネルギーなどが注目されているが、どう考えますか。

 地球温暖化対策としての重要性は理解しますが、いまの太陽光パネルで日本の原子力や火力の役割をすべて代替するのは難しいのではないでしょうか。電力を安定供給する体制の整備が課題でしょう。

 新日鉄では風力発電も手がけ、北九州でウィンドファームを運営しています。現時点では風力で発電量を確保するのは困難ですが、風力発電はもっとやっていいのではないか、と思います。一定量の風を受け続けられる場所には国立公園など風光明媚な場所が多い。

 風力発電装置の羽根は1枚70~80メートルありますからね、倒れたらどうするか、とか、近づくと音もするなどの課題があることも事実です。

 ただ、景観にしても、騒音にしても、工夫と技術でかなり克服できるはずですし、国民もある程度までは我慢することも大事ではないでしょうか。

 環境問題を解決していくためには我慢は不可欠です。


――産業以外の業務と家庭部門は逆に排出量が増えていますね。何をすべきでしょうか。

2006年度でみると、これは私たちの生活スタイルに大きく関係します。

 産業分野は90年比4.6%減らしたが、業務部門39.5%、民生は30.0%も増えています。

 環境税を導入すれば温暖化問題が全て片付く、と無益な議論をしてきたツケがここに出ています。家庭で誰も痛みを感じずに長年やってきたのが、ようやくここにきて家庭でも何かしないといけない、と意識は変わりつつありますが、学校教育も幼稚園児からきちんとやらないとダメだと思います。

 幼稚園児が家で電気を消せば、おじいさんやおばあさんも喜んで一緒にやるものです。

サマータイム導入なども併せて、これからの課題として急ぎ国を挙げて民生対策を実施していかなくてはいけないと思います。

 ――地球環境を守るために、先進国の経済や生活レベルを下げるべきだ、という声もありますね。

70年代の石油危機当時に我慢したことを思い出すべきです。マイカーに乗るのを控えよう、とか、夜の照明は早めに消しましょう、深夜TVは自粛しましょう、などと、いま考えると様々な国民運動を展開しました。

 「第三次石油危機」とも呼ばれるいまは、夜はなるべく早く寝て朝は早く起きて働くことにしてはいかがでしょうか。24時間社会が拡大し、個人が深夜まで起きていてテレビやパソコンを見ているのはいかがなものでしょうか。こういう生活のムダについては、国を挙げて考えていかないといけないと思います。

■日本の国際競争力、ヒトとモノのムダを省き効率を高めたから

 繰り返しになりますが、資源とエネルギーのない日本が国際競争力を高めたのは、ヒトとモノのムダを省いて効率を高めたからです。1億2000万人の人々がもう一度、生活の有様について、考え直す時期にきていると思います。

 「エコは国家なり」いや、地球全体の人々が一緒に考えるテーマですから「エコは世界なり」という意識を持つことが必要です。

 ――関澤さんご自身のエコ生活を教えてください。

 家内がクルマを使うのはスーパーに買い物に行くだけなのですが、これまで毎日行っていたのを2日に1度に減らしてまとめ買いするようになりました。

 私がちょっと買い物に行くぞ、と言うと「自転車にしなさい」と忠告されます。

 あとは、待機電源を入れたり切ったりできるタップコンセントを数年前に導入しました。もっぱら私が消して回っています。

 風呂もある時間帯に集中して入り、追い炊きをしないようにしています。

 家の外の門灯は、私が家に入ると消すことにしています。部屋の電気は1部屋しか使わないから、家の中は真っ暗です。それでも慣れれば不自由はあまり感じません。

最後に日本鉄鋼連盟が日本の近代製鉄発祥150周年を記念したイベントを7月26、27日に六本木ヒルズ(東京・港)で開催します。環境コーナーも設けて様々な情報発信をする予定です。ぜひお越し下さい。

出典:日経エコロミー
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サミットは80点、産業分野別の取り組み強化を――関澤秀哲・日本鉄鋼連盟 環境・エネルギー政策委員会委員長に聞く<上> [エコロジー]

 企業経営者へのシリーズ・インタビュー「エコ経営の極意」。今週は新日本製鉄副社長で日本鉄鋼連盟の環境・エネルギー政策委員会委員長を務める関澤秀哲氏。閉幕した洞爺湖サミットの評価とともに、日本の製造業を支える鉄鋼業のエコ経営について語ってもらった。

 ――閉幕した北海道洞爺湖サミット、100点満点で評価すると何点ですか?

 80点くらいですね。

 課題はまだ残っている、という点であえて20点を引きます。

 ここまでたどり着くのは大変でしたし、総理のリーダーシップも発揮されたと思います。80点以上は誰がやってもとれないのではないでしょうか。

 強いていうと中期目標について「野心的な中期の国別総量目標を実施」という言葉で落ち着いた点です。できれば、「セクターごとのエネルギー効率の比較に基づいた公平な中期の目標設定」とあれば100点でもいいと思います。

 また、福田総理がダボス会議でも言及された「基準年」の見直しについて何らかの合意が得られたら更に良かったと思います。

 鉄鋼業は、オイルショック以降1989年時点ですでに20%の省エネを実現して世界最高水準に達しています。その上でさらなる省エネ、CO2排出削減というのは、まさに乾いた雑巾を絞るようなものです。そうした中で、1990年以降も懸命に努力を続けてきましたが、生産量が増大しているため、既にCDMによる排出権の手当てで1000億円を投入している状況です。

 翻って1990年当時の欧州はどうだったか。89年に東西ドイツが統合しましたが、西と東とではエネルギー効率がぜんぜん違っており、旧東ドイツを改善すれば大幅に排出削減ができる状況にあったのです。つまり90年基準は欧州には非常に有利な条件であったわけで、これを95年、2000年基準に変えると、EUの排出削減の数字は大きく変わります。

 とまれ、基準年についてはまだ合意ができていないから、これからの交渉です。


 ――課題だった数値目標は盛り込まれませんでしたね。

 今回のサミットで一番大事なことは、主要排出国が同じ土俵に乗ることでした。

 京都議定書で温室効果ガスの排出削減義務を負う国が90年から2010年にかけてCO2排出量を減らせたとしても、削減義務を負っていない中国やインドなどでは急激に増えていきます。このような途上国が、今後、どういうかたちで参加するかが、カギでした。

 京都議定書には重大な問題点がありました。地球温暖化が進んでいるのに、莫大なCO2を排出する途上国は何をしなくてもいいということを制度として認めていた点です。

 1990年から2010年まで世界のCO2排出量は40%伸びると予測されています。うち途上国は2倍以上に増えるのです。米国も2025年までは排出量が増え続ける。

 このような状況下で、今回のサミットで一番重要なことは途上国を、米国も含めて先進国と同じ土俵に乗せることでした。そして、この点は達成されました。 確かにMEM(主要排出国会議)の中では数値目標が盛り込まれませんでしたが、この議論はこれから行えばよいことであって、世界が参加する、という方向性を示した意味を評価したいと思います。

 そして、技術の重要性が確認された点も大きいと思います。

 地球温暖化問題は技術をもって解決するしかありません。技術による解決方法は2つあります。1つは途上国への省エネ技術の移転、もう1つは革新的な技術開発であり、今回のサミットでは両方きちんとうたわれました。


 ――セクター別アプローチは宣言文に入りました。

 サミット宣言文にはセクター別アプローチの有益性も盛り込まれました。セクター別アプローチは、技術移転や技術革新を進める、あるいは温室効果ガスの排出削減目標を作るうえで大事です。

 産業別に目標を設ける、という点では、鉄鋼業界は2005年7月に日中鉄鋼業環境保全省エネ先進技術交流会を設け、日本の大手5社の社長以下80人、中国からも120人、合計200人の大会議を北京で開き、環境・省エネに関する技術交流をきちんとやろう、と合意しました。

 その後は毎年専門家同士で会合を持ち、今年は第4回目を開催するまでになりました。

 ここで培ったセクター別アプローチは、米国主導で2006年にスタートした「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ」(APP)にも生かされています。日、米、中国、インド、韓国、オーストラリアの主要6カ国が参加し、昨年10月にはカナダが加わり7カ国になりました。京都議定書がカバーする30%よりずっと多い、GDP、排出量ともに世界の5割以上、鉄鋼だけで見ると6割以上のカバー率を誇ります。現在8つのタスクフォースに分かれて排出削減に取り組んでいます。

 この中で鉄鋼とセメントは日本が議長国を務めており、このうち鉄鋼タスクフォースでは、昨年12月、中国の3ヵ所の製鉄所に日本の技術陣が工場診断で出向き、アドバイスをしました。今年1月にはインドの製鉄所を訪れ、具体的に技術診断、技術移転の協議を実施しています。

 鉄鋼業の先進的な省エネ技術として、主要なものが10くらいありますが、これをAPP内に移転・普及させると1億3000万トンのCO2排出削減につながります。仮に世界中に広げると3億トンの削減が可能となります。

 セクター別アプローチが有益なのは、同じ業界の専門技術者同士が議論をするので自らの課題がすぐにわかるとともに、技術をベースとした取組みであることから途上国の参加意欲につながるためです。途上国は技術に対する期待感が極めて大きいため、APPの中で中国やインドが自分たちのデータを提出して省エネ施策を追及し、エネルギー効率改善に積極的に取り組んでいます。 

もう1つ大事なことはエネルギー効率を正しく比較することです。各国毎にデータの定義、対象範囲、数値の取り方等がまちまちであることから、鉄鋼業の場合、共通の方法論の確立にかなりの時間をかけて議論を行っています。


――技術の開示も進めているのですか。

 日本の鉄鋼業は、日中の鉄鋼業やAPPでもそうですが、思い切って技術開示を行っているのです。

 中国との間では2005年7月、環境・省エネ技術に国境はないという考え方に立って、先進環境・省エネ技術を開示しよう、と決断しました。 

 APPの鉄鋼セクターでは101の先進技術を選び出し、英文のハンドブックを作成して各国と共有化していますが、このうち63の技術は日本鉄鋼業の技術です。

 もちろん、商品技術は一切開示しません。国際競争が厳しさを増す中で、各社の競争の核となる部分ですからね。でも環境・省エネ技術については開示しています。


 ――キャップ・アンド・トレードに基づく排出量取引をどう考えますか。日本でも秋に試験導入されるそうです。

 そもそもキャップ・アンド・トレードでCO2を減らせるのでしょうか。

 CO2をこれまで1000トン出していたのをキャップをかけて500トンに減らしなさい、達成できなければ、カネを出して排出する権利を買って来なさい、というのがキャップ・アンド・トレードの仕組みです。

 各社にキャップをかけて経済統制的に強制すれば排出量は減るでしょう。でもトレードそのものでは減らないのではないでしょうか。

 ましてや公平なキャップをどうやってかけるのでしょうか。欧州でもこの点を巡り相当数の訴訟が起きていて解決策が見出せていないようです。

 また、欧州では第一期間で1万の対象事業所で取引があったそうですが、実需取引は50件に過ぎず、残りは金融ブローカー(数千業者)などの利益目的参加者である、との報告もあります。


 もう1つの疑問は、EUのように27カ国の中でエネルギー効率にでこぼこがある場合、取引することは或いは有効かもしれませんが、日本国内での排出権取引にどれだけ意味があるのかということです。

 日本の製造業はみな同水準の高いエネルギー効率を誇っていますから、たとえば新日鉄とJFEが排出権取引をすることはありえませんよね。

 秋に日本政府が試験導入しても、実効性があるのかないのか、全くわかりません。

 排出量取引についての審議会で「日本だけ乗り遅れてどうするのか」と指摘する委員もいますが、そもそも効果が上がるのかどうか分からないなかで、この指摘はいかがなものか、と思います。

 仮に金融筋を中心にビジネスとして排出権マーケットを作りたいのなら、はっきりそう宣言して環境問題とは切り離して議論すべきです。

 欧州では国による入札制度(オークション)も検討されていると聞きます。日本でのスタートはこれらの効果を見極めてからでいいのではないか、と思います。

 7月初めに日本とEUのビジネス界の協議の場(日本・EUビジネス・ダイアローグ・ラウンドテーブル)があり、ワーキングパーティーの1つとして地球温暖化対策を話し合い、ここで共同提言を取りまとめました。合意した文言には「キャップ・アンド・トレード型排出権取引は公平性の確保が極めて難しい」とあります。

 また、排出権取引は炭素リーケージ(=漏れ=)につながるのではないか、という意見も出ました。EUのビジネス界は、私たちとほぼ同じ認識です。

 温暖化問題は国内排出権取引で解決できる問題ではなくて、中国、インドといった経済成長著しい国の排出をどう削減していくのか、先進国も含めて世界中が参加して削減努力を推し進めていくことが大事です。


 ――東京都議会でCO2排出規制条例が可決されました。どういう印象をお持ちですか。

 これも同じことですが、都だけで実施したときに、都以外の地域に炭素リーケージがおき、工場や本社の移転につながる懸念はないのでしょうか。

 日本の製造業の省エネ余地は世界の中でもっとも少ない。さらにその上に厳しいキャップがかかれば、達成できない企業は生産量を落とすか、もしくは東京以外に出て行く選択肢しかありません。これは慎重に見極めないといけない。東京都だけでやる意味があるのか、きちんと議論して効果を見極める必要があるでしょう。

出典:日経エコロミー
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【コンセントからこまめに抜こう】 [エコロジー]

◇例えば、数分しか働かないレンジが丸一日、電気を食べ続けている。

電気製品を使用していないときに、タイマーなどのために消費される電力が待機電力。ビデオデッキ、オーディオコンポ、テレビ、電子レンジなどが代表的です。そしてその合計は、家庭の電力消費のなんと7%にも。ここまでいくと「少しくらい」とも言っていられない数字です。その対策は、使っていないときに電源プラグをコンセントから抜くこと。少し面倒ですが、まずは使用頻度の低いものからやってみましょう。スイッチ付きコンセントの活用なども便利です。


◇例えばこんな工夫

電気製品が集中するのは、テレビやステレオ、キッチンまわり。使うたびに抜き挿しするのが面倒ならば、まずは定期的にコンセントから全部外し、次に使う時にコンセントに挿し込むようにしてみては。ふだん使わないものほど、抜いたままの状態になるはずです。
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【過剰包装を断ろう】 [エコロジー]

◇スーパーから家までの短時間で一生を終わる袋がある。

1 人が1年間で使用する手提げ袋は、なんと230枚。買い物の際には専用のバッグをひとつ用意。ふだんのお出かけの際には、小さく折りたためるバッグを常に携帯しておけば、買い物袋は不要になります。また、プラスチックのトレーなども極力避けて、ムダな包装を持ち帰らないようにしましょう。家に帰れば不要になる袋やトレーは、つくる際にも、再生・破棄する際にも、CO 2を排出しています。そろそろ自分の買い物バッグを、当たり前のことにしませんか。


◇例えばこんな工夫

スーパーの一部では、買い物袋が不要であることを示すカードが用意されています。コンビニでも購入した商品が少なければ、手提げ袋が必要か聞かれることがあります。こうした取組に積極的に応えることで、少しずつ意識を変えていきましょう。
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【エコ製品を選んで買おう】 [エコロジー]

◇環境を考えていない製品は、結局、人間のことを考えていない製品だ。

新しく家電製品を買うときに、ぜひ注目して欲しいのが「省エネ性能」。エアコンや冷蔵庫などは省エネ性能の表示も普及し、購入の際の目安になっています。中には、年間電気料が数万円単位で違うこともあり、特に古い機器を使い続けている場合、買い替えコストと電気代を比べてみると、愕然とする数字が出ることも。お財布にも、環境にも優しい省エネ製品。特に冷蔵庫やエアコンを買い替えの際には、忘れずにチェックしてみてください。


◇例えばこんな工夫

その他エコ製品は様々な分野で開発されています。ガステーブルの内炎式バーナー、ソーラー発電機器、太陽熱温水器、CO2冷媒ヒートポンプ給湯器や家庭用潜熱回収型給湯器など。家屋の新築や改装などの際には、各分野のエコ製品を検討してみてください。
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【エコドライブをしよう】 [エコロジー]

◇クルマは動かすからこそ、ガソリンはエネルギーと言う。

停車や駐車時のアイドリングを、無意識のうちにしていませんか?アイドリング時にも、ガソリンは1分あたり約0.014リットルが消費されています。1日5 分のアイドリングを止めたとすると、年間20時間(240日として)。特に仕事などで車を頻繁に使われる方ほど、削減量も大きくなります。もちろんその分ガソリン代も節約に。限られた資源を、ムダなく、大切に。停車中は、エンジンをオフ。習慣づけが大切です。


◇例えばこんな工夫
まず、エンジンの暖機から見直しましょう(最近の車はほとんど必要ないと言われています)。エンジンのオン・オフの頻度は、人の乗り降りの間や荷物の上げ下ろしなど通常の範囲でなら、バッテリーに対する影響もありません。1分以上の停止を目安に、エンジン停止を心掛けましょう。
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